2023年4月4日に発行されたPinterestの特許(Patent #11,620,331)です。

案件自体は親出願の審査が終わった時点で行った継続出願ですが、出願時に出願費用を払っていなかったり、Preliminary amendmentでクレームすべてを差し替えたりと珍しいケースでした。継続出願によくあるDouble Patentの解消にeTerminal Disclaimerを使うのはよくある対応なのですが、許可通知後に提出したIDSを考慮してもらうためにRCEを行っていました。いままでもIDSを許可通知後に提出した事例を取り上げていましたが、特にRCEをするようなものはなかったので、この違いについてもできる範囲で考察してみました。

出願履歴全体を見ると実質1回のOA対応で権利化されているので、継続出願としては良い対応ができていると思いますが、上記のようなところどころの細かな対応が少し以外だったので、その部分を中心に考察をしてみました。

目次

書誌情報から

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画像共有サービスを長年展開しているPinterestの特許(Patent #11,620,331)です。

2021年3月が出願日で、2023年の4月に特許になっているので、約2年1ヶ月ほどの審査期間になります。

次に説明しますが、この出願は継続出願で親出願が権利化されていることから、審査期間は通常の新規出願よりも短い傾向にあります。今回も(RCEはありますが)1回のOA手続きで実質審査は終わっているので、このような比較的早い審査となったような印象を受けます。(親出願からの審査期間に関する考察は次のセクションで行います。)

継続出願・海外優先権に関する情報

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この情報から、今回の案件は継続出願であり、親出願がすでに権利化されていることがわかります。

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親出願のデータを見ると2021年の3月には特許が発行されており、継続出願の情報と比較すると、その数日前に今回の継続出願が出願されていることがわかります。

継続出願は親出願の特許発行まで可能なので、親出願と平行して審査してもらうこともできますが、今回のように親出願の審査が終了し、親出願の特許性が確立された時点で継続出願を行うことで、親出願における内容を参考にしながら継続出願のOA対応をできるメリットがあります。なので、今回も実質1回のOAで権利化できたのかもしれません。

次に、親出願の出願日から継続出願の権利化までの時間をUSPTOが公開しているデータと比較してみましょう。

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