2023年1月17日に発行されたSamsungの特許の出願履歴から考察しました。
今回は補正し続けたクレームをキャンセルし、RCEまで主張していた特徴をすべて白紙に戻し、それまでは注目していなかった部分をクレームに用いたことで特許を得た案件です。
序盤はメインのリファレンスでなく、組み合わせに用いられたリファレンスに注目し、複数の差別化要素を積み重ねることで進歩性を見出そうとしましたが、うまくいきませんでした。そこでREC後のOAですべてのクレームをキャンセルし、まったく新しいものを提案することで、差別化に成功し、特許として成立しました。
理想を言えば、マイナーな補正が目立った案件だったので、RCE前後でインタビューをして審査官の心象を探り、引用された文献に関する見解を議論することで、もう少し早く権利化できたのではないかと思っています。
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Samsungの特許(Pat. No: 11557907)です。
2020年9月がアメリカにおける出願日で、2023年の1月に特許になっているので、約2年半弱の審査期間になります。
比較的スムーズな権利化ができた案件だと思います。
継続出願がない単発の出願ですが、韓国の出願があり、優先権を主張しています。