2023年3月14日に発行されたSamsungの特許(Patent #11,606,604)です。

今回はRCEがあったものの実質2回のOA対応で権利化された案件です。最初のOA対応ではクレーム1を全体的に補正するものの、補正内容に関してはマイナーなものだったので、先行文献との差別化を行う上でギリギリの線を攻めたのだと思います。

最終拒絶の後は潔くRCEを行い大規模な補正と共に、クレーム1の拒絶を102条から103条に切り替え、組み合わせで使われた文献との差別化を図り、見事に権利化しました。

欲を言えば、PCT出願で用いられたクレームだけではなく、ほかにも独立クレームや従属クレームを追加して独立クレーム3つ、トータルで20クレームにしてから審査をした方が良かったと思います。また、RCEのときに多くのクレームをキャンセルしたので、その変わりの新規クレームも加えることができたらさらに良かったと思います。

目次

書誌情報から

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今回からUSPTOのPatent CenterのUIがすこし変わりました。そして、PDFでのアウトプットが逆時系列しかできなくなり、ちょっと見づらくなっています。

今回注目するのは、Samsungの特許(Patent #11,606,604)の履歴です。

出願データを見てみると、2020年9月が出願日で、2023年の3月に特許になっているので、約2年6ヶ月ほどの審査期間になります。

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この案件はRECが1回ファイルされているので、USPTOの統計データでは約30ヶ月が審査の平均期間となっています。それと比較すると、今回の案件は30ヶ月ほどなので、審査期間は平均値だということがわかります。