2022年9月27日に発行されたSonyの特許(Pat. No: 11,460,998)の出願履歴から考察しました。

脅威のRCE3回(合計6回のOA対応を経て)権利化された案件です。一般的な103条の拒絶のみだったのですが、特に前半の拒絶対応には個人的に疑問に思う点が多く、なぜ3回もRCEをやったのにインタビューは1回も行わなかったのかが謎でした。

後半は引用されたリファレンスとの差別化に関する主張ができていたので、なぜ最初からやらなかったのか? この案件ではMorrisという文献がメインのリファレンスとして用いられて拒絶が数回行われていました。個人的な意見ですが、遅くても2回目に同じリファレンスが用いられ、審査官と代理人の間でそのリファレンスに関する解釈が違うようであれば、インタビューをその時点で行うべきだったでしょう。

また、6回のOA対応すべてでクレーム補正が行われていたため、最初のクレームとはかけ離れたとても限定的なクレームになってしまいました。権利化されたものの、この特許にどれだけの価値があるのか、6回のOAと3回のRCEを経ても得たかったものが得られたのか?は疑問に残るところがあります。

目次

書誌情報から

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Sonyの特許(Pat. No: 11,460,998)です。

2019年4月がアメリカにおける出願日で、2022年の10月に特許になっているので、約3年6ヶ月の審査期間になります。

継続出願情報

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Sonyの特許で、出願人・権利者は日本のSonyですが、発明者はアメリカにいる従業員のようです。よってアメリカ発の出願のため、外国出願による優先権主張はなし。

また、継続関係もありませんでした。

つまり、シンプルなUSのみの出願となります。

期限延長(Patent Term Adjustment)

アメリカの特許の有効期限は出願日から20年が原則ですが、特許庁における審査の遅れがあると、延長される場合があります。

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