2022年7月19日に発行されたAmazonの特許の出願履歴から考察しました。継続出願で関連する特許とのDouble patentingの問題が指摘され、さらに出願人の主張と審査官の見解が平行線をたどり、RCEを含む4回のクレーム補正と2回のインタビューを経てやっと権利化できた案件です。インタビューを2回やっても平行線という状況だったので、審判請求があってもおかしくはないと思いましたが、他の継続出願がすでに権利化されていたので、あえてRCEを選んたのかもしれません。

また、私の心象としては、特許として許可されたクレームと先行技術文献の差はそれほどないと思っているので、今回は時間と労力はかかったものの、出願人の粘り勝ちという印象を受けました。

目次

書誌情報から

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Amazonの特許(Pat. No: 11,393,108)です。

2020年1月に出願され、2022年の7月に特許になっているので、約2年半の審査期間になります。

継続出願情報

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しかし、(一部)継続出願のようで、一番古いものは2016年の2月に遡るみたいです。また、その他の継続(Continuation)と一部継続(Continuation-in-part)はすべて権利化されているとのこと。

包袋から

今回もRCE案件なので、審査履歴は長い方です。

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IDS提出は頻繁に行われていて、OA対応時にはほぼ新しいIDSが提出されていました。

今回のケースはRCE後にOA対応1回を経て許可になっているものです。さらに継続出願情報でも触れましたが、他にも似たような特許があるのでTerminal disclaimerを提出しているのがわかります。(以下で解説。)RCEの前には、2回non-finalの拒絶通知があり1回finalがありました。2回non-finalが来るのは珍しいので、2回目のnon-finalには注目しようと思います。あとは、許可後に図の修正をしていますね。

手続き上のやり取りが多いケースなので、ポイントを絞って解説していきたいと思います。