2022年7月12日に発行されたCanonの特許の出願履歴から考察しました。クレーム文言が不明瞭だと指摘され112条の解消に2回の拒絶+RCEを費やす形にはなってしまいましたが、文献による拒絶がなかったため「シンプル」な拒絶対応であったのかもしれません。

しかし、2回目の拒絶で指摘された審査官との理解の相違は1回目の拒絶の際にインタビューしていれば事前に解消されていたのかもしれません。もしそうであれば、インタビューによって2回目の拒絶+RCEは回避できたのかもしれません。

ただ最終拒絶の後に素直にRCEを出したのは良かったと思います。Advisory actionやAFCP 2.0では多分考慮されなかったので、そのような手続きに時間と弁護士費用をかけずにRCEの費用のみを払うのは正しい選択だったと思います。

また、審査終了後にIDSを提出したため、許可通知書が2回発行されています。IDSの提出義務は許可通知書を受け取った後でも続くので、気をつけるようにしてください。

目次

書誌情報から

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Canonの特許(Pat. No: 11,385,832)です。

2019年4月に出願され、2022年の7月に特許になっているので、約3年の審査期間になります。

継続出願情報

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親出願はないですが、この特許から継続出願が出されています。

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継続出願の出願日が登録費用を払った1日後なので、権利化できることがわかった後に、戦略的に継続出願をしているのがわかります。

このように許可通知書(Notice of allowance)が来て維持費を払うまでに、特許になる案件を継続出願するか決定するのは特定の技術の特許ポートフォリオを作るのに有効な戦略です。親切な代理人さんだったら、許可通知書が出るタイミングで上記のような継続出願を提案してくるかもしれません。

包袋から