2022年8月9日に発行されたToyotaの特許の出願履歴から考察しました。
101条,102条,103条と112条(a)と(f)と通常考えられるすべての拒絶理由が指摘された案件でした。しかし、(1)1つの従属クレームが条件付きで「許可可能」とされたこと、(2)OA対応の前のインタビューで101条以外の拒絶をすべて解消できたこと、(3)101条に関しても効果的な補正と主張がOA対応でできたこと、により、見事1回目のOA対応だけで、許可通知が送られていました。
更に、今回は112条(f)におけるMeans-plus-functionの解釈も、クレームを具体的な形に補正することで回避できているので、Means-plus-functionの解釈を避ける補正と主張例の1つとしても重宝しそうです。
また担当者が元審査官で日本の滞在経験もあったのも、トヨタの案件をうまくアメリカで権利化できた要因かもしれません。
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Toyotaの特許(Pat. No: 11,410,197)です。
2020年11月に出願され、2022年の8月に特許になっているので、約2年の審査期間になります。
トヨタの案件なので日本の出願がベースになっていますが、このアメリカ出願を基準にした継続出願情報はありませんでした。
今回はOA対応が1回しかないシンプルな審査履歴です。
IDS提出は、出願時に1回だけ。
今回のケースは最初のOAが29ページと長めのOAですが、インタービューを駆使して、見事1回のOA対応で許可まで持ってきています。